「荷物がない!」
「雨で濡れてぐしゃぐしゃ…」
最近、こんな置き配トラブルが急増しています。便利な置き配サービスですが、使い方を間違えると思わぬトラブルに巻き込まれることも。
子育て中の忙しい主婦だからこそ知っておきたい、置き配の正しい使い方と防犯対策を分かりやすく解説します。
今日の「人に話したくなるポイント」
- 驚きの事実:置き配を利用したことのある人は8割近くなのに、盗難リスクを心配する人は半数以上
- 身近な危険:玄関先に荷物を届けることに75・3%のドライバーが「不安」と回答している現実
- 意外な盲点:「荷物がない」「荷物がぬれた」などのクレームを受けた経験があると答えたのは、30・2%ものドライバーがいる
- 法的知識:配送業者の責任は極めて限定的で、盗難は「不可抗力」として責任を問えない場合が多い
- 現実的対策:宅配ボックスや防犯カメラの設置が最も効果的な防犯対策
置き配って何?なぜ増えているの?
置き配の基本を知ろう
置き配とは、玄関先や宅配ボックスに荷物を届ける配達方法のことです。家に誰もいなくても荷物を受け取れる便利なサービスとして、急速に普及しています。
まるで昔の牛乳配達のように、「指定した場所に荷物を置いてもらう」システムと考えると分かりやすいでしょう。
なぜ置き配が増えているの?
置き配が増えている理由は、主に3つあります。
1. ドライバー不足の深刻化
物流業界の輸送力低下への懸念や時間外労働の上限を年960時間とする規制により、配送業界は人手不足に直面しています。
2. 再配達の負担軽減
今年4月の宅配大手事業者6社の再配達率は8・4%と高く、ドライバーの負担となっています。
3. ネット通販の普及
コロナ禍を経て、ネット通販を利用する人が急増し、宅配需要が爆発的に増加しました。
置き配トラブルの実態:こんなことが起きています
実際に起きているトラブル事例
盗難被害
兵庫県姫路市では6月18日、男性(30)宅の玄関前に置き配されていた荷物が盗まれる事件が発生しました。
犯人は中学生で、「目に留まって中に何が入っているか気になった」と供述していました。
衛生面のトラブル
フードデリバリー大手の出前館(東京)で、玄関先に置き配された商品の袋に生きたクマネズミ(体長約5センチ)が混入していた事案も発生しています。
天候による被害
雨や雪による荷物の濡れ、強風による荷物の散乱なども頻繁に起きています。
利用者の不安の声
利用経験のない人のうち、54・4%が「盗難リスクが心配」と回答しており、多くの人が置き配に不安を抱いています。
配送業者の責任はどこまで?知っておきたい法的知識
配送業者の責任は限定的
置き配は現状、買い主側もリスクを承知の上で選択する配達方法です。
そのため、配送業者側に明確な落ち度がない限り責任を問うことは難しいとされています。
業者が責任を問われるケース
- 大雨の中、あえて雨にぬれる場所に放置した場合
- 乱暴な配達で荷物の中身を破損させた場合
- 明らかに不適切な場所に荷物を置いた場合
業者が責任を問われないケース
- 盗難による被害
- 地震などの自然災害
- その他の「不可抗力」による被害
現在の保険制度
- 日本郵便では「置き配保険」があり、盗難に際し、警察への届け出など手続きを済ませた上で、支払い限度額1万円で保険金を請求できます
- ヤマト運輸も、盗難や紛失などがあった場合、会員であれば個別の状況を確認して対応するとしています
主婦が実践すべき!置き配トラブル防止策
基本の心構え:「知識は盾になる」
置き配を安全に利用するためには、正しい知識を身につけることが大切です。

まるで子どもに「知らない人についていかない」と教えるように、置き配にも正しい使い方があります。
具体的な防犯対策
1. 宅配ボックスの活用
最も効果的な対策は宅配ボックスの設置です。簡易で安価なものでも大きな効果があります。
2. 防犯カメラの設置
玄関先に防犯カメラを設置することで、盗難の抑制効果が期待できます。
3. 荷物の早期回収
置き配された荷物は、なるべく早く回収することが重要です。
4. 適切な場所の指定
・人目につきにくい場所を選ぶ
・雨に濡れない場所を選ぶ
・風で飛ばされない場所を選ぶ
注文時の工夫
1. 高価な商品は避ける
置き配での配達は、比較的安価な商品に限定することをお勧めします。
2. 在宅可能な時間帯を選ぶ
できるだけ在宅している時間帯に配達を依頼しましょう。
3. 配達完了通知の確認
配達完了の通知が来たら、すぐに荷物を確認・回収しましょう。
家計への影響:置き配トラブルが家計に与える影響
金銭的影響



置き配トラブルが家計に与える影響は決して小さくありません。
直接的な損失
- 盗難による商品代金の損失
- 再購入による追加費用
- 配送料の重複支払い
間接的な負担
- 代替品購入のための時間と労力
- 配送業者とのやり取りにかかる時間
- 精神的ストレス
経済的メリットの活用



一方で、置き配を上手に使えば家計にメリットもあります。
時間の節約
- 配達時間を気にせず外出できる
- 再配達の手間が省ける
- 効率的な時間管理が可能
配送料の節約
- 一部の配送業者では置き配割引がある
- 再配達料金を避けられる
今後の見通し:置き配はどう変わる?
国の動き
国土交通省は置き配を、宅配便の基本ルールを定めた「標準運送約款」に盛り込み、普及させたい意向です。今秋までに方向性をまとめる予定です。
必要な改善点
- 置き配に関するトラブルの実態調査
- 荷物を届けたことを証明するシステムの導入
- トラブルの分類と責任の所在の明確化
- 保険制度の充実
今日のポイント整理
- 置き配は便利だが、リスクも伴う配達方法:利用者も責任を理解して使うことが重要
- 配送業者の責任は限定的:盗難や自然災害は「不可抗力」として責任を問えない場合が多い
- 防犯対策は必須:宅配ボックスや防犯カメラの設置が最も効果的
- 早期回収が鍵:置き配された荷物は、なるべく早く回収することが重要
- 高価な商品は避ける:置き配での配達は、比較的安価な商品に限定する
- 国の標準化が進む:今後、置き配はより一般的な配達方法になる見込み
