夏休みに家族でキャンプやハイキングを楽しんだご家庭も多いのではないでしょうか?しかし、実は野外活動には見えない危険が潜んでいるのです。
今回は、子育て中のお母さんが家族をSFTSから守るために知っておくべき知識をわかりやすく解説します。
今日の「人に話したくなるポイント」
- SFTSは家庭のダニとは全く違う「マダニ」が原因で、致死率は27%と非常に高い感染症
- これまで西日本中心だったが、今年初めて北海道でも確認され、全国どこでも注意が必要
- 公園や住宅地の庭でも感染リスクがあり、ペットの散歩でも要注意
- 効果的なワクチンや治療薬がないため、予防が最重要
- マダニに刺されても正しい対処法を知っていれば被害を最小限に抑えられる
マダニって何?家庭のダニとどう違うの?

まず、多くのお母さんが勘違いしているのが「マダニ」と「家庭のダニ」の違いです。
マダニは森林や草地などの屋外に生息する比較的大型のダニで、食品や衣類などに発生する家庭にいるダニとは全く種類が違います。
家庭のダニ vs マダニ
家庭のダニ(布団ダニなど)
- 大きさ:0.5ミリ以下(目に見えないほど小さい)
- 場所:布団、カーペット、畳の中
- 害:アレルギーの原因
マダニ
- 大きさ:吸血前3~8mm、吸血後10~20mm(小豆~大豆サイズ)
- 場所:野山、公園、庭の草むら
- 害:命に関わる感染症を媒介
これは、コップの水と水たまりくらいの違いがあります。布団掃除機で吸い取れる小さな家庭のダニと違って、マダニは目に見える大きさで、硬い外皮に覆われているのが特徴です。
SFTSってどんな病気?なぜそんなに危険なの?
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、SFTSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染し、主な症状は発熱、消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛など)ですが、重症化し、死亡することもあります。
SFTSの症状(時系列で理解しよう)
第1段階:風邪のような症状(マダニに刺されてから6日~2週間後)
- 38度以上の高熱
- 全身のだるさ
- 食欲がない
- 吐き気、嘔吐
第2段階:消化器症状が悪化
- 下痢、腹痛
- 血便が出ることも
第3段階:重篤な症状(血小板が減少)
- 出血が止まりにくくなる
- 意識障害
- 呼吸困難
これは、体の中で血液を作る工場(骨髄)がウイルスによって攻撃され、血を固める成分(血小板)が極端に少なくなってしまう状態です。
まるで、お弁当を作る材料がどんどんなくなって、最終的にお弁当が作れなくなってしまうような状況です。
どこで感染するの?意外に身近な感染場所



多くのお母さんが「山や森だけでしょ?」と思いがちですが、実はもっと身近な場所にも危険は潜んでいます。
感染リスクの高い場所ランキング
1位:山林・森林エリア
- 登山、ハイキング、キャンプ
- 山菜採り、きのこ狩り
2位:農作業エリア
- 畑での野菜作り
- 田んぼの手入れ
- あぜ道での作業
3位:住宅地周辺(要注意!)
- 民家の裏山や裏庭、シカ、イノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する場所に多く生息しています
- 公園の草むら
- 庭の剪定や草取り
4位:ペット経由
- 飼い犬等がマダニを付けて持ち帰ることもあります
- 犬や猫からマダニを介さずに直接SFTSウイルスに感染した事例も報告されています
つまり、「都市部だから安全」「庭の手入れだけだから大丈夫」という考えは危険なのです。
家族を守る!今すぐできるマダニ対策5選
1. 服装の「マダニバリア」作戦
基本の3原則
- 長袖・長ズボンで肌の露出ゼロ
- シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる
- 帽子と手袋で頭と手を完全防護
おすすめ服装のコツ
- 明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)や化学繊維素材(マダニがつきにくい)
- 白やベージュなら黒いマダニがすぐ見える
- ポリエステルなどの化繊はマダニが滑りやすい
2. 虫除け剤の賢い使い方
DEET(ディート)成分入りがおすすめ
- DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、一定の効果があるとされています
- 肌だけでなく、服の上からもスプレー
- 2~3時間ごとに塗り直し
3. 帰宅後の「マダニチェック」習慣
家に入る前の玄関チェック
- 服をはたいて目に見えるマダニを落とす
- 服の色の薄い場所で全身をチェック
- 特に要注意箇所:首周り、脇の下、太ももの内側、膝の裏
すぐにシャワー&着替え
- 野外から帰ったら即シャワー
- 服は洗濯機に直行(他の衣類と分ける)
4. ペットの「マダニ持ち帰り」対策
散歩後の必須チェック
- 耳の中、指の間、お腹周りを重点チェック
- ブラッシングで毛の根元まで確認
- 異常があったら即座に動物病院へ
5. 庭仕事での予防策
草刈り・剪定時の注意点
- 作業前に虫除けスプレー
- 作業後は服を玄関で脱いで洗濯
- 刈った草はすぐに処分(マダニの隠れ場所になる)
もしもマダニに刺されてしまったら?緊急対処法
絶対にやってはいけないこと
×無理に引っ張って取る
- マダニの口が皮膚に残る
- 感染リスクが高まる
×つぶしたり、アルコールをかけたりする
- マダニが刺激されて体液を吐き出す
- ウイルス感染の危険性が増加
正しい対処法の手順
ステップ1:冷静に状況確認
- マダニが刺さっている場所を写真撮影
- 刺された日時をメモ
ステップ2:即座に医療機関へ
- 自分で取り除かずに速やかに医療機関を受診する
- 皮膚科、外科、内科どこでもOK
- 受診時に「マダニに刺された」ことを必ず伝える
ステップ3:2週間の健康観察
- 毎日体温測定
- 発熱、だるさ、食欲不振に注意
- 少しでも症状があれば即受診
いざという時のための「SFTSサイン」チェックリスト
マダニに刺されてから6日~2週間後に以下の症状が1つでもあれば、迷わず医療機関へ。
緊急受診が必要な症状
□ 38度以上の発熱
□ 激しいだるさ(起き上がれない)
□ 食事ができない
□ 吐き気・嘔吐
□ 下痢・腹痛
□ 出血が止まりにくい
医療機関での伝え方
「○日前にマダニに刺されました。SFTSの可能性はありますか?検査をお願いします」
これを紙に書いて持参すると、医師に正確に伝わります。
家族みんなで作る「マダニ対策ルール」
我が家の野外活動ルール(例)
出かける前
- □ 全員、長袖・長ズボン着用確認
- □ 虫除けスプレー全身に塗布
- □ 明るい色の服装チェック
活動中
- □ 草むらには極力近づかない
- □ 2時間ごとに虫除けスプレー塗り直し
- □ 地面に直接座らない(レジャーシート必須)
帰宅後
- □ 玄関でマダニチェック
- □ 即シャワー・着替え
- □ 使用した衣類は分けて洗濯
子どもに教える「マダニ見つけ方」
子ども向け説明
「小さな黒いゴマみたいなのが皮膚にくっついてたら、絶対に触らずに大人に教えてね」
覚えやすい合言葉
「マダニ見つけたら、手を出すな!大人を呼べ!」
今日のポイント整理
- SFTSは致死率27%の危険な感染症で、有効な治療薬はまだない
- 家庭のダニとは全く別物で、野外だけでなく住宅地でも感染リスクあり
- 長袖・長ズボン+虫除けスプレーが最も効果的な予防法
- マダニを見つけても絶対に自分で取らず、すぐに医療機関へ
- 帰宅後のマダニチェック習慣で早期発見・早期対処が可能
- ペット経由の感染もあるため、散歩後のチェックも重要
- 発熱などの症状が出たら2週間以内に必ず受診することが命を守る鍵
知識は最強の盾です。正しい知識と準備があれば、家族みんなで安心して野外活動を楽しめます。今年の秋の行楽シーズンも、しっかりと対策をして素敵な思い出を作りましょう!
